サルサ名曲ランキング
サルサの名曲ランキングです。歴代のサルサ音楽の中で、最も偉大な曲を米ビルボード誌のラテン音楽担当が選出しました。そのトップ10の一覧です。Youtube(ユーチューブ)の動画付きです。キューバやアメリカのニューヨーク、マイアミなどから生まれた世界の人気曲が上位を占めています。サルサダンスの曲としても最高です。(MOVE)
順位 | 曲名、歌手・バンド、発売年 | 解説 |
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1 | 「ペリオディコ・デ・アジェール」 (Periódico de Ayer) エクトル・ラボー (Hector Lavoe) 1976年 ![]() 【動画】 公式PV→ 【音楽配信】 試聴(Amazon)→ |
サルサの歴史上最も偉大な歌手の一人とされるプエルトリコ人エクトル・ラボー。
「エル・カンタンテ」という愛称で知られ、その波乱に満ちた生涯はマーク・アンソニーとジェニファー・ロペスの共演でハリウッド映画にもなった。 この曲は、そのラボーのソロとしての2枚目のアルバムであり、最高傑作とも言われる『貴女まかせに(原題:De Ti Depende/デ・ティ・デペンデ)』に収録された。 1970年代のニューヨークのサルサシーンを最も良く体現した曲の一つとされる。 アップビートな曲調でトロピカルな雰囲気がたっぷり。 ダンスのナンバーとして今でも人気が高い。 曲名の意味は「昨日の新聞」。 「あなたの愛は、まるで前の日の新聞のようだ。 誰ももう読みたくない。 その日の朝はセンセーショナルだけど、 午後には忘れ去られている」といった歌詞になっている。 |
2 | 「エル・プレソ」 (El Preso) フルーコ・イ・スス・テソス (Fruko y Sus Tesos) 1998年 【動画】 公式PV→ 【音楽配信】 試聴(Amazon)→ |
南米コロンビアのサルサバンド「Fruko y Sus Tesos」の代表作。
世界のサルサ界のアンセム(聖歌)のような存在になった。
曲名の「El Preso(エル・プレソ)」とは、囚人という意味。
懲役30年で刑務所に服役している男が、その苦しさを嘆いている内容。
その歌詞とは対照的に開放的なサウンドが聴く人の心を揺さぶる。
収録アルバム「El Grande(エル・グランデ)」→ |
3 | 「フエゴ・エン・エル・23」 (Fuego en el 23) ソノーラ・ポンセーニャ (La Sonora Ponceña) 1969年 【動画】 公式動画→ 【音楽配信】 試聴(Amazon)→ |
1954年の結成以来、親子2代によって活動を続けるプエルトリコのサルサバンド「ソノーラ・ポンセーニャ」。 本曲は、キューバ音楽が生んだ最も偉大な音楽家アルセニオ・ロドリゲスの1957年の曲を、 大胆なアレンジでカバー。「サルサ」という新しい音楽スタイルを世界に示した。 大ヒットした。 |
4 | 「ペドロ・ナバハ」 (Pedro Navaja) ウィリー・コローン&ルベン・ブラデス (Willie Colon and Rubén Blades) 1978年 【動画】 公式動画→ 【音楽配信】 試聴(Amazon)→ |
300万枚以上の売り上げ、サルサ史上最大のヒットとなったアルバム「Siembra(シエンブラ)」に収録された曲。
アルバムの全曲がヒットしたが、中でも3曲目の本曲は傑作として称賛された。 ペドロ・ナバハという架空の犯罪者についての歌である。 ナバハは、スペイン語でナイフを意味する。 犯罪がはびこる中南米のストリートの危険な日常をリアルに表現した曲として、 大きな支持を集めた。 ルベン・ブラデスならではの語り口で聞かせており、 ウィリー・コローンのアレンジも見事。 パトカーのサイレンや街の騒音が緊張感をもたらす。サビ(コーラス)の部分はサルサ音楽の中で最も有名。1984年には、この曲をモチーフにした映画の制作された。 ウィリー・コローンは、1950年ブロンクス生まれで、 トロンボーン奏者や歌手、プロデューサーなど多岐にわたる活躍をし、ニューヨークサルサを象徴する音楽家の一人となった。 一方、ルベン・ブラデスはパナマ出身の歌手。コローンとのコンビによって大ブレイクし、後に音楽による社会変革を目指した「新しい歌」運動の推進者の一人としても知られるようになった。 |
5 | 「ビビール・ミ・ビダ」 (Vivir Mi Vida) ~私の人生を生きる マーク・アンソニー (Marc Anthony) 2013年 【動画】 公式動画→ 【音楽配信】 試聴(Amazon)→ |
マーク・アンソニーにとって10年ぶりのオリジナル・サルサアルバムとなった「3.0」からの最初のシングル。
情熱たっぷりの歌いっぷりで、ラテン音楽界を席けんした。
アルジェリア出身のベテラン歌手ハレドが2012年に発売した曲「C'est la vie」(セラビ)」のカバー。
歌詞をフランス語からスペイン語に変えた。
ラテングラミー賞の最優秀レコード賞を受賞した。 日本でも、ズンバなどラテン音楽のダンスプログラムで根強い人気を誇っている。 収録アルバム「3.0」→ |
6 | 「ラ・レベリオン」 (La Rebelión) ~反乱 ジョー・アローヨ (Joe Arroyo) 1986年 【動画】 公式PV→ 【音楽配信】 試聴(Amazon)→ |
コロンビアが生んだ偉大なサルサ歌手ジョー・アローヨの代表曲。 アメリカ大陸やカリブ海で奴隷として虐げられた黒人の歴史と、黒人女性に対するリスペクトについて語った歌である。 黒人のアンセム的な位置づけとなっている。 パーカッションやピアノが印象的。 |
7 | 「シン・サルサ・ノ・アイ・パライソ」 (Sin Salsa No Hay Paraiso) ~サルサがなければ天国もない エル・グラン・コンボ・デ・プエルト・リコ (El Gran Combo de Puerto Rico) 2010年 【動画】 動画→ 【音楽配信】 試聴(Amazon)→ |
エル・グラン・コンボの通算63枚目のアルバムに収録された曲。 プエルトリコを拠点に半世紀以上にわたって活躍する伝説のサルサバンド。 長い歴史の中で多くのリード・シンガーを輩出した名門だが、この曲のリードボーカリストはジェリー・リバスとチャーリー・アポンテ。 その見事な歌いっぷりは、サルサの持つ喜怒哀楽をバランスよく表出させ、聞いて身を委ねれば、至福のひととき。 リトゥモ、コロ、ホーンの安定感も抜群。これぞまさしくサルサの手本。貫禄の快演。 曲名の意味は「サルサがなければ天国もない」。まさに21世紀サルサのアンセム。 |
8 | 「カリ・パチャンゲーロ」 (Cali Pachanguero) グルーポ・ニチェ (Grupo Niche) 1984年 【動画】 動画→ 【音楽配信】 試聴(Amazon)→ |
南米コロンビアが生んだスーパーグループ「グルーポ・ニチェ」が生んだサルサの古典的な名曲。 1970年代前半のニューヨークで火がついたサルサ人気は、 1970年代から1980年代にかけて、南米や中米へと飛び火する。 こうしたなかで台頭してきたのがパナマのルベン・ブラデスであり、 コロンビアのグルーポ・ニチェである。 アップテンポで軽快。サルサダンスの定番の一つ。 題名の「カリ・パチャンゲーロ」とは、「パーティーの町カリ」という意味。 自分たちの故郷であり、南米のサルサの中心地となったコロンビア第三の都市カリに捧げたトリビュート・ソングとされる。 この曲を収録したアルバムの成功によって、グルーポ・ニチェはラテン音楽界で一躍有名になった。 収録アルバム「No Hay Quinto Malo」→ |
9 | 「トロ・マタ」 (Toro Mata) セリア・クルース&ジョニー・パチェーコ (Celia Cruz and Johnny Pacheco) 1974年 【動画】 動画→ 【音楽配信】 試聴(Amazon)→ |
セリア・クルース(クルス)は、キューバ出身。 1950年代に、中南米やアメリカで人気になった。 キューバ革命後は主にアメリカで活動していた。 そのクルースが、南米ペルーで最も有名な曲をカバーしたのが、この曲である。 サルサ・テイストになっている。 当時、ラテン音楽界をリードしていたジョニー・パチェーコとのデュエット。 パチェーコが設立したサルサのレコードレーベルへの移籍第一弾となった。 この曲などの大ヒットによって、 クルースは「サルサの女王」と呼ばれるようになった。 |
10 | 「ベン、デボーラメ・オートラ・ベス」 (Ven, Devórame Otra Vez) ~来て!私をもう一度むさぼって! ラロ・ロドリゲス (Lalo Rodríguez) 1989年 【動画】 動画→ 【音楽配信】 試聴(Amazon)→ |
プエルトリコの歌手ラロ・ロドリゲスの名曲。
サルサ音楽のサブジャンルで、
1980年代に流行した「ロマンチック・サルサ」を代表する曲とされる。
歌詞の内容が性的。
ラロは16歳の若さでデビュー。 甘い歌声とルックスでニューヨークのサルサシーンを席捲した。 22歳で故郷プエルトリコに戻り、ソロデビュー。 力強くスピード感にあふれた歌声のかっこ良さで、 サルサファンの心を掴んだ。 この曲は、5枚目のアルバム「Un nuevo despertar(ウン・ヌエボ・デスペルタール)」に収録され、 シングルカットされた。 中南米のラテン音楽チャートの上位となり、 ラテン音楽のアワード「Lo Nuestro」で「最優秀トロピカル音楽賞」を受賞した。 収録アルバム「Un nuevo despertar」→ |
出典:https://www.billboard.com/articles/columns/latin/8458665/best-salsa-dance-music-songs-of-all-time